Google Workspace を利用している組織で、Wordpressのメールフォーム (コーポレートサイトの「お問い合わせ」など) を利用して問合せ内容をメール送信しようとすると以下の問題が発生することがあります。
- 問合せメールがホスティング業者のメールサービス (例: さくらインターネット, Xserver, ロリポップ) に届いてしまう
- 問合せメールの控を回答者に送信する際に失敗することがある (迷惑メール扱いとなるなど)
この問題は、Wordpress のメール送信機能で Google Workspace のメールサーバーを利用するように設定することで解決します。
印刷する場合はこちら
前提条件
- Google Workspace (GWS) 側
- Gmailを利用可能なライセンスを、1ライセンス以上契約中であること
- 特権管理者で作業すること
- メールフォーム側
- WebサイトがWordPress上に構築されており、WP Mail SMTPプラグインを利用可能であること
- 利用要件は公式ページを参照のこと(2023年2月現在、Ver.5.2以降に対応)
- Webサーバーが固有の固定IPアドレスを持っていて、そのIPアドレスがわかること
- WebサイトがWordPress上に構築されており、WP Mail SMTPプラグインを利用可能であること
固定IPで動作していない (メールを送信するたびにIPアドレスが変わる) Webサーバーの場合は、手順が異なります。ZUNDAまでお問い合わせください。
手順
1.固定IPアドレスの確認
Webサーバーに割り当てられているIPアドレスを確認します
- ホスティング事業者の設定画面や開通時の資料などで確認できます。詳しくはホスティング事業者にお問い合わせください。
- サーバーが動作しているIPアドレスとユーザーがアクセスするIPアドレスが異なる場合 (CDN利用など) はサーバーが動作しているIPアドレス (egress IP) を確認します。
- IPv6 に対応したレンタルサーバーやVPSを利用している場合は、IPv6 のIPアドレスも確認してください。
- 日本国内のレンタルサーバーでは IPv6 が有効なケースはあまり多くありませんが、「さくらのレンタルサーバー」「CORESERVER V2」はIPv6 が標準で有効化されてます。
2.SMTPリレーの設定
GWSの管理コンソールで、SMTPリレーサービスを設定します。
- GWSの管理コンソール へ、特権管理者ユーザーでログイン
- Gmailのルーティング設定から、SMTPリレーの設定画面を開く
- 左メニューの アプリ > GWS > Gmail > ルーティング
- SMTPリレーサービス > 設定 をクリック
- 以下のとおり設定し、「保存」をクリック
- SMTPリレーサービス: "WP Mail SMTP" など (任意)
- 許可する送信者: ドメイン内のアドレスのみ
- 認証: 指定したIPアドレスからのみメールを受信する
- WebサーバーのIPアドレスを追加し、「有効」にして保存
- サーバーにIPv6アドレスがある場合、v4アドレス、v6アドレスの両方を設定する
- SMTP認証: 不要
- WebサーバーのIPアドレスを追加し、「有効」にして保存
- 暗号化: 「TLSによる暗号化を必須とする」をチェック
3.WP Mail SMTPプラグインの設定
WordPressにプラグインをインストールし、設定します。
- メールフォーム設置WebサイトのWordPress管理画面へアクセス
- アクセスURLは環境ごとに異なります
- WP Mail SMTPプラグイン をインストールし、有効化する
- セットアップウィザードは利用せず、「ダッシュボードに戻る」をクリック
- WP Mail SMTPの設定画面を開く
- WordPress側が非対応バージョンの場合、左メニューには表示されません
- 以下のとおり設定し、下へスクロールする
- 送信元メールアドレス: GWSで利用中のドメインのメールアドレス
- 設定するメールアドレスは実在しないもの (noreply@example.comなど) でも構わない
- フォーム名: メールのタイトルに付加されます
- メーラー: その他のSMTP ※Google/Gmailを選択しない
- 送信元メールアドレス: GWSで利用中のドメインのメールアドレス
- その他のSMTPで、以下を入力し「設定を保存」をクリック
SMTPホスト: smtp-relay.gmail.com
暗号化: TLS
SMTPポート: 587
認証: オフ - メール送信テストを行う
- 「メールテスト」タブを開く
- 送信先にフォームからの通知を普段受け取るメールアドレスを入力し、「メールを送信」をクリックしテストメールを送信する
- 実際にテストメールが届いていることを確認する
- WordPress管理画面上で、ドメインチェック結果の SPF が成功となることを確認する
- IPが正しく入力されていない場合などにエラーが発生する場合があります