本手順は、Azure Active Directoryをプリントサーバーとして利用し印刷を行う「ユニバーサルプリント」の設定を、Intuneを利用して展開する手順となります。
前提条件
- 対象のプリンタが、Azure ADの「ユニバーサルプリント」へ登録済であること
- 対応機種は、対象機器の製品マニュアルを参照のうえAzure ADに登録する(参考)
- 非対応機種は、Universal Print ConnectorをインストールしたAzure AD参加済PC経由で登録する
- 利用する端末が以下のOSバージョン要件を満たしていること(2022年9月1日時点)
- Windows 10 (バージョン 1903 以降)
- Windows 11
- 展開先のユーザーアカウントにユニバーサルプリントを付与可能なライセンスを保持していること
- 以下の製品のライセンスに含まれます(2022年9月1日時点/参考)
- Microsoft 365 Business Premium
- Microsoft 365 Enterprise F3, E3, E5, A3, A5
- Windows 10/11 Enterprise E3, E5, A3, A5
- Universal Print (単体販売)
- 以下の製品のライセンスに含まれます(2022年9月1日時点/参考)
- 「グローバル管理者」または「プリンタ管理者」のロールを持つユーザーで作業を行うこと
手順
1. 利用者へUniversal Printのライセンスを付与する
利用するユーザーアカウントに、Intune上でライセンスの付与(または、付与済みであることの確認作業)を行う。
※ユーザー単位で付与する場合は、「グループ」を「ユーザー」へ読み換えてください
- Endpoint Managerへログインし、対象のドメインへアクセスする
- 左ペインのメニューから「グループ」(または「ユーザー」)へアクセスする
- 一覧から、ライセンスを付与する(または付与済みの)グループを開く
- 管理 > ライセンス を開き、「前提条件3.」の製品が割り当てられているかを確認する
- 割り当て済みの場合
- 一覧から、「前提条件3.」に記載のある製品で、「アクティブ」なものを選択する
- ポップアップしたリストで「Universal Print」にチェックがあることを確認する
- チェックされている場合:「キャンセル」ボタンでリストを閉じる
- チェックされていない場合:チェックし、「保存」ボタンで更新する
- 割り当て未実施の場合
- リスト上部の「割り当て」をクリックする
- 「ライセンスの選択」から、Universal Printを含む製品を選択する
- 「ライセンスオプションの確認」で「Universal Print」にチェックが入っていることを確認し、「保存」ボタンで割り当てを行う
- 割り当て済みの場合
2. プリンタ利用者のアクセス権グループを作成する
利用を制限したい単位(プリンタ、フロア、ビルなど)の単位でアクセス権グループを作成する。
- Endpoint Managerの左メニューから、「グループ」を開く
- リスト上部の「新しいグループ」をクリックし、グループ作成画面を開く
- 以下のとおり入力し、「作成」ボタンをクリック
- グループの種類: 「セキュリティ」を選択
- グループ名: 設定したいグループ名を入力
- メンバーシップの種類: 「割り当て済み」を選択
- 条件クエリで自動設定する場合は「動的ユーザー」を選択
- メンバー: 当該プリンターを利用するグループを選択
- リスト上部の「更新」ボタンをクリックし、作成したグループが表示されることを確認する
3. プリンタにアクセス権を設定し、共有を開始する
前項で作成したアクセス権グループをプリンタに割り当て、共有を開始する。
- Azure Portalのサービス一覧から、Management and governance > ユニバーサルプリント を開く
- 左メニューから、管理 > プリンター を開く
- リストにて、割り当てたいプリンタの共有の状態が「共有されていません」となっていることを確認し、プリンタの名前をクリックする
- 共有の状態が「プリンターは共有されています」となっている場合は、一度共有を削除する必要があります
- 「プリンターの共有」ポップアップにて、前項にて作成したグループを選択し、「プリンターの共有」ボタンをクリック
- 「組織内のすべてのユーザーのアクセスを許可します」をチェックすると全ユーザーに割り当てることも可能ですが、ライセンス未付与のユーザーは利用できません
- プリンター共有の状態が「プリンターは共有されています」に変わる ことを確認する
- 開いている画面(プリンターの概要)は開いたままにし、次の手順へ移ります
- 次項にて「共有ID」を利用します
4. プリンタ設定を配布する
構成プロファイルを配布し、共有プリンタを自動設定する。
- 新規タブでEndpoint Managerを開き、左メニューから「デバイス」を開く
- ポリシー > 構成プロファイル を開き、リスト上部の「プロファイルの作成」をクリック
- 以下のとおり選択し、「作成」をクリック
- プラットフォーム: Windows 10 以降
- プロファイルの種類: 設定カタログ
- 「基本」にて、判別可能な名前・説明を入力し、「次へ」をクリック
- 「構成設定」にて、「設定の追加」をクリックする
- 「設定ピッカー」にて、「プリンターのプロビジョニング(Printer Provisioning)」を参照する
- 「これらの設定をすべて選択する」をクリックし、左画面に入力欄が現れることを確認する
- 左画面で以下のとおり入力し、「次へ」をクリック
- プリンター共有 ID (ユーザー): Azure Portalの共有したいプリンタから転記
- 操作 (ユーザー): 「インストール」を選択
- 同一のアクセス権で複数のプリンタを設定する場合は、リスト上部の「追加」から行追加し、同様に入力する
- 「スコープタグ」は選択せず、「次へ」をクリック
- 「割り当て」で、配布対象(前項2.にて作成したグループ)を選択し、「次へ」をクリック
- 内容を確認し、「作成」をクリック
- 構成プロファイルの一覧に、作成したプロファイルが表示されることを確認する
- クライアントPC側で、自動構成されることを確認する
- PCの画面にプロンプトが自動で立ち上がり、自動終了することを2回確認する
- 1度目のプロンプトで「未指定」に作成され、2度目で「プリンター」に移動されます
- コントロールパネル > デバイスとプリンター を開き、共有したプリンタが表示されることを確認する
- プリンタのアイコンを右クリックし、メニューから「プリンターのプロパティ」をクリック
- 「全般」タブで「テストページの印刷」ボタンをクリックする
- プリンタ側で印刷ジョブが走ることを確認し、ポップアップを閉じる
- 既定のプリンタに設定する場合は、再度アイコンを右クリックし、「通常使うプリンターに設定」をクリックする
- PCの画面にプロンプトが自動で立ち上がり、自動終了することを2回確認する
以上で、設定の展開は完了となります。